屋根工事業とは

そもそも屋根工事って?

屋根工事業とはその名の通りですが、瓦、スレート、金属薄板等により、屋根をふく工事業種です。ところで屋根を「ふく」とはどういう意味でしょうか?屋根をふくの「ふく」は、感じでは「葺く」と書き、瓦や板などで屋根をおおうことを意味しています。工事を行う場所は「屋根」と限定されますが、屋根をふく際の材料は様々あります。屋根の材料となるものを屋根材と呼びますが、これは大きく4種類に分類されます。それは粘土系、セメント系、スレート系、金属系となります。その中でも粘土系ならば釉(ケイ酸塩化合物が焼成されたガラス質の素材)を使っているかどうかで釉系と無釉系に区分されたり、セメント系もセメントの割合でプレスセメント瓦とコンクリート瓦に区分されます。それぞれ特徴や質感が異なるので、屋根工事業に従事する職人さんや建設業者さんは、用途に合わせて素材や工法を使い分けることになります。また近年話題になっていた太陽光発電パネルについて、屋根と一体型のものを設置する場合も屋根工事業の許可が必要となります。

屋根工事の特徴について

屋根工事が屋根材によって区分されることは先ほど述べましたが、屋根材によって屋根自体の性能だけでなく、建物構造や屋内の間取りにも影響する場合があります。というのも、屋根材によって、屋根の勾配に最低限度が設定されているからです。これは屋根の素材によって工法が異なるため、勾配の緩急を設定することで、最低限の防水性能を担保しなければならないためです。また勾配が急になったり、複雑になるほどに、工事費が上がってくるのも特徴と言えるでしょう。例えばもっともよく見られる2方向へ傾斜がある凸型の屋根を切妻屋根と呼びますが、頂部から4方向に傾斜がある寄頭屋根の方が、費用がかさみます。

屋根工事業の建設業許可を取得する為には?

屋根工事業は建設業法が定める、29種類の建設業許可のうちの一つです。平成29年3月末の国土交通省の調査によると、屋根工事業の許可業者は全国で42,825社おり、建設業許可の中で14番目の多さとなります。ですので建設業許可業種の中では、真ん中くらいですね。屋根工事業の建設業許可を取得するための、専任技術者要件としては、建設業法の国家資格では1級建築施工管理技士、2級建築施工管理技士(仕上げの種別が必要)が該当します。職業能力開発促進法の技能検定では建築板金のダクト板金作業、板金(建築板金作業科目)、建築板金(内外装板金作業科目)、板金工(建設板金作業科目)、かわらぶき・スレート施工が該当します。このなかで1級建築施工管理技士のみが、特定建設業の専任技術者となることができます。1級建築施工管理技士は実務経験などの受験のハードルはありますが、合格率は2017年試験では39.7%と超難関資格ではありません。2017年試験は女性の合格率が4.9%と過去15年間で最大となり、少しずつ受験者の構成が変わってきている印象を受けます。

屋根工事に関する資格や協会って?

屋根工事のプロ集団として、一般社団法人全日本瓦工事業連盟(全瓦連)があります。全瓦連では資格の認証による屋根工事の技術向上や、設計施工のガイドライン化などを行い、屋根工事の品質向上に向けて取り組みをしています。また、一般社団法人日本屋根診断士協会では、屋根のお医者様として、屋根診断士の養成講座を行なっています。屋根の老朽化などは雨漏りなど、暮らしの質に直結しますので、その診断ができるプロフェッショナルが増えるのは頼もしいですね。最近はリフォームも活発なので、ニーズはますます強まってくるのではないでしょうか。

(参考)
国土交通省 http://www.mlit.go.jp/
一般社団法人全日本瓦工事業連盟 http://www.yane.or.jp/
一般社団法人日本屋根診断士協会 http://e-yaneshindan.com/

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