左官工事業とは

左官工事ってどんなもの?

左官工事とは漆喰やプラスター、繊維などを工作物に貼りつけたり、吹き付けたりする工事のことです。建設業許可業務ガイドラインでは「左官工事、モルタル工事やモルタル防水工事、吹き付け工事、洗い出し工事、とぎ出し工事」の6つを例示しております。
最終的な外壁などの表面仕上げの塗り工事を全般的に指すのが左官工事と言えます。
ちなみに各工事については業務工程や手法で分類されているようです。例えば、「洗い出し」とは仕上げの方法の一つで、モルタルに少し大きめの石などの骨材を入れて塗りつけ、完全に固まってしまう前に水洗いを行い、あえて石の頭を表す仕上げです。
また、「とぎ出し(研ぎ出し)」とは、主にセメントと種石を塗りつけて、砥石やグラインダーなどで研いでいくことで、ピカピカな石肌の状態となる仕上げの方法です。カウンター天板や洗面所をイメージしてもらうとわかりやすいかと思います。

左官工事の流れとしては水で練ったモルタルなどの材料を下地に塗りつけ、外壁や床などに塗りつけてコテや吹き付けなどで仕上げを行います。
左官工事は豊富な経験と熟練した技術が必要であり、長年培われた技術はまさに職人と呼ばれるにふさわしいものです。文化庁が保存技術を持っていることを認証する「人間国宝」のような左官屋さん・左官工さんもいらっしゃいます。
久住有生さんという左官職人さんは、情熱大陸で特集もされています。すごいですね。

左官工事業の建設業許可を取得するためには?

左官工事業は建設業法で定める29種の建設業許可業種のうちの1つです。
左官工事業の建設許可取得のためには経営業務の管理責任者がいることなどの共通要件に加え、専任技術者が一定の要件を満たしていることが必要となり、その要件は資格取得および実務経験に区分されます。

資格取得については2種類あります。建設業法における国家資格としては、1級・2級それぞれの建築施工管理管理技士(2級の場合は仕上げ)が該当します。
また職業能力開発促進法が定める技能検定の場合は、1級・2級の「左官」(2級は合格後3年間の実務経験が必要)の修了者が該当します。
なお特定工事業の専任技術者として認定されるのは、実務経験がある場合を除くと、1級建築施工管理技士のみとなります。

左官工事業に関する資格や協会って?

防水工事については、防水工事業でも左官工事業であってもいずれの業種の許可であっても施工が可能です。ですので左官工事業と防水工事業の関係性については、非常に密接なものと言えます。
そのため左官工事業と防水工事業をいずれも持っている建設会社も少なくありません。この点は左官工にも言えることで、防水工事の知識、具体的には技能検定の「防水工事」などを修了していくことがスキルアップにつながるといえるでしょう。

また左官業者の団体として、一般社団法人日本左官業組合連合会があります。同連合会は技術や工法などの普及はもちろんですが、左官の技能五輪などの競技大会の広報も行なっています。
前述の通り、左官工事は非常に奥が深く、様々な経験を経て腕を磨いていくことが必要なので、このような競技大会は非常にいい機会ですね。
前述の左官職人の久住さんはアメリカの建築家からの依頼を受けて、現地の土や砂で壁を作ったりもしているそうです。伝統的な技術であるゆえ、技術を磨いていくことで国内のみならず、海外にも活躍の場は今後もさらに出てくるのではないでしょうか。

(参考)
国土交通省 http://www.mlit.go.jp/
一般社団法人日本左官業組合連合会 http://www.nissaren.or.jp/

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