内装仕上工事業とは

そもそも内装仕上工事とは?

「内装仕上工事」は、「建設物の内装を仕上げる工事」になります。読んで字のごとくですね。ただ、どのような内装を対象とするかを明確に知っている方は少ないかと思いますので、この記事では、そんな「内装仕上工事」について、読んでいただいている皆様と一緒に学んでいきたいと思います。どうぞ最後までお付き合いください。

まず、国土交通省が発行している「建設業許可ガイドライン」を参考に「内装仕上工事」の内容についてご紹介していきます。
国土交通省の告示では、「木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、たたみ、ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を用いて建築物の内装仕上げを行う工事」とされています。
わかりやすいですね。

ですが、例示をみると興味深い項目がありました。
建設工事の例示では、「インテリア工事、天井工事、壁張り工事、内装間仕切り工事、床仕上げ工事、たたみ工事、ふすま工事、家具工事、防音工事」となっています。
「家具工事」。。私たちが普段使用しているような家具の組み立ても工事区分とされるということなのでしょうか。。。いえいえ、流石にそうではないようです。

「建設業許可事務ガイドライン」に記載されている「建設工事の区分の考え方」では
「家具工事とは、建築物に家具を据付け又は家具の材料を現場にて加工若しくは組み立てて据え付ける工事をいう」とされています。建築物に据付けられる家具に限定しているようですね。例をあげると飲食店のカウンター、住宅ならばクローゼットが該当します。

内装仕上工事業って?

内装仕上工事の内容については理解できましたので、以降では決まりごとや公的な視点から「内装仕上工事業」をご紹介していきます。

「内装仕上工事業」とは、建設業第3条3項で定められている29業種の建設業許可業種の1つです。平成29年3月末の国土交通省の調査によると、内装仕上工事業の許可取得企業数は73,072社とされております。また29業種の内、上から8番目の企業数となっております。(15.7%)

ここで、何度かでてきている「建設業許可」について説明したいと思います。
「建設業許可」とは、工事を行う際に、必ず必要とされる認可です。
※ただし軽微な工事は除かれます。(500万円以下)
この認可は国土交通省が制定したものであり、各都道府県に認可を行う窓口が存在します。

工事を行う際に必要とされる認可になりますので、建設業に関わる職人さんたちにとって非常に大切な認可になります。

内装仕上工事業の建設業許可を取るためには?

上記で述べた通り、建設業許可はとても重要なものになります。
これがなくては建設会社さんは工事を請け負う機会を大きく失うことになしかねませんから。
ここではそんな重要である建設業許可の取得方法を述べていきます。

内装仕上工事業の建設業許可の取得のためには、経営業務の管理責任者がいることなどの共通要件に加え、建設業を営む営業所ごとに「専任技術者」を配置していることが要件とされています。 内装仕上工事業の「専任技術者」として認められるための要件は様々な物があります。
建築施工管理技師の1級又は2級(仕上げ)、建築士の1級又は2級、技能検定の畳製作・畳工の1級又は2級、同じく技能検定の内装仕上施工・カーテン施工・天井仕上げ施工・床仕上げ施工・表装・表具・表具工の1級又は2級が要件とされています。
※但し、技能検定2級に関しては、合格後3年以上の実務経験が必要となります。

また、資格の取得以外でも「専任技術者」の要件を満たすことができます。
具体的には、内装仕上工事に関する10年以上の実務経験、高等学校卒業後5年以上の実務経験、高等専門学校・大学の卒業後3年以上の実務経験があることでも要件を満たすことができます。 ※各教育機関において、国土交通省が定める指定学科の卒業が必要です。

内装仕上工事に関する資格や協会はあるの?

先ほど軽く触れましたが、内装仕上工事に関する資格には様々なものがあります。
知名度が高く、難易度が高いことで知られる建築士資格の説明は不要かと思いますので、他の資格に関して詳しくご紹介します。

建設施工管理技士は、建築士ほどの知名度はありませんが、非常に取得が難しい資格になります。建築士が設計管理の専門家としての能力を問われるのに対し、建築施工管理技士は「実際の施工過程における施工計画、工程・品質・安全の管理に重点をおく建築技術者」としての能力が問われます。
また、建設施工管理技士は14業種に対して管理技術者としての対応が可能であり、建築士の6業種と比較すると、広く対応が可能です。

次に技能検定1・2級についてご紹介いたします。
技能検定の合格者を「技能士」と呼びます
この技能士資格は1~3級までの等級があり、それぞれ受験資格が異なります。
1級の場合は、7年以上の実務経験・2級の場合は、2年以上の実務経験が必要をされております。
3級の場合は、実務経験期間に関しての要件がありませんので、関わる工事の実務経験があれば受験が可能です。ただし、3級の資格では「専任技術者」の要件を満たすことはできませんので、注意が必要です。

内装仕上工事業に関しての協会として、全国建設室内工事業協会や日本室内装飾事業協同組合連合会などがあります。
双方と共に歴史ある大きな協会であり、研修会の開催、機関紙の発行、ガイドブックの発行、技能士検定試験の実施などを通じて、内装仕上工事業の発展向上に貢献されています。
最後までお付き合いいただきましてありがとうございます。

(参考)
国土交通省 http://www.mlit.go.jp/
中央職業能力開発協会 http://www.javada.or.jp/
日本室内装飾事業協同組合連合会 http://www.nissouren.jp/
一般社団法人全国建設室内工事協会 http://www.zsk.or.jp/

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