板金工事業とは

そもそも板金工事って?

板金工事とは、金属薄板等を加工して工作物に取り付け、または工作物に金属製等の付属物を取り付ける工事のことです。
板金は薄く平らに形成した金属のことをいい、様々な製品に使用されています。厚さが極端に薄いものは「箔」や「ホイル」と呼ばれ、厚さが6mm以上のものは厚板と呼ばれています。
板金と聞けば、まず思い浮かぶのが車の板金業者さん(板金屋さんや板金工とも呼ぶ。)だと思いますが、ここで述べる板金工事業は建築に関する板金を請け負う工事業で、別名では建築板金工と呼ばれています。(以前は銅工屋と呼ばれていたようです。)建築板金とは、外壁の金属サイディングの取り付け工事、雨樋やダクトの工事、台所や厨房・食品工場のステンレス内装張りなどの施工を請け負います。

板金工事って具体的にはどんなもの?

板金工事業の工事例として建設業許可事務ガイドラインは、板金加工取付工事、建築板金工事、カラー板金貼り付け工事、ステンレス貼り付け工事などを例示しています。
注意が必要なのは、板金屋根工事は「屋根工事」に区分されることです。屋根工事業において「屋根ふき工事」で、瓦・スレート・金属薄板等で屋根をふく工事とあるのは、屋根をふく材料の別を示したもので、これら以外の材料(トタン屋根・ガルバリウム屋根・ステンレス屋根などの金属屋根など)による屋根ふき工事も多いことから、これらを包括して「屋根ふき工事」としています。したがって板金屋根工事も「板金工事」ではなく、「屋根工事」に該当します。
つまり、屋根以外の箇所で、板金の加工や取り付けを行う工事を「板金工事」とすると覚えておくとわかりやすいですね

板金工事業の建設業許可を取得するには?

板金工事業の建設業許可を取得するには、建設業29業種共通の許可要件(経営業務の監理責任者がいること・専任技術者がいることなど)を満たす必要があります。

板金工事業の専任技術者になるには、専任技術者としての資格を持っている人、指定学科を卒業し、実務経験がある人(学歴によって実務経験年数が異なる)、板金工事に関わる実務経験が10年以上ある人のうちいずれかに該当しなければなりません。

板金工事業における専任技術者の資格は、1級建築施工管理技士・2級建築施工管理技士(仕上げ)。または、技能検定の建築板金(ダクト板金作業・内外装板金作業)・工場板金・板金(建築板金作業)・板金工(建設板金作業)・板金・板金工・打ち出し板金などです。

板金工事業に関する資格や協会って?

板金工事業に関する資格の中に、職業能力開発促進法に基づき職業能力開発協会が実施する技能検定の建築板金技能士があります。建築板金技能士とは、住宅などの建築物にかかる板金工事の技能を認定するもので「内外装板金作業」と「ダクト板金作業」があり「内装板金作業」は1級~3級まで「ダクト板金作業」は1級~2級まであります。 学科試験と実技試験に合格すると、資格を取得することができます。

1級建築板金技能士の受験資格は、7年以上の実務経験、2級合格後2年以上、3級合格後4年以上の実務経験が必要です(学歴によって実務経験年数が異なります)。
2級建築板金技能士の受験資格は、2年以上の実務経験、または3級建築板金技能士の合格者になります(学歴によって実務経験が異なります)。
3級建築板金技能士の受験資格は実務経験など不問です。実務経験年数の足りない人は3級から受験するのがいいでしょう。

板金工事業に関する協会は、一般社団法人建築板金協会(日板協)があります。日板協は、これまでの全国板金工業会(昭和15年結成の任意団体)から平成25年新しく生まれ変わり、4つの団体と2つの企業からなる「全板連」と一体となって、建築板金加工業及び同工事業の近代化・経営基盤の強化・検討の場の提供・技術の向上と習得や育成を図ることを目的としています。

(参考)
国土交通省 http://www.mlit.go.jp/
一般社団法人日本建築板金協会 http://www.zenban.jp/

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